土について

植物にとって有効な微生物がたくさん棲んでいるところが肥沃な土地です。

生物である微生物が好むのは適度な水·酸素·養分が保たれている土、

その土(有機土)をつくるのは微生物。

鉱物や火山灰などは無機質の土です。

風や雨に運ばれた無機質の土と

微生物がつくる有機質の土が混ざり、

少しずつ土が増えていきます。

田畑に土の厚みが1cm増えるまでに100年。

豊かな恵みを育みつづけるに必要な1mの土壌になるには

なんと1万年もの歳月がかかります。

目にみえない微生物が人間は土を守っていかなければなりません。

種について

発酵常陸の味噌に使う大豆は地大豆「たのくろ豆」

田んぼの畔(あぜ)はかつて「クロ」と呼ばれ、

クロの土崩れを防ぐために栽培されていた大豆が「たのくろ豆」です。

市場には出回っておらず、地域で受け継がれてきたもので

品種改良がされていない昔ながらの甘みと旨みをもちます。

地域のおばあちゃんから「自分にはもう育てる体力がなくなった」と譲り受けたのは

手のひらにおさまるくらいの量でした。

それから毎年、種を蒔き、草を引き、収穫し、味噌をつくってきました。

翌年の種になる形と色の良い種を残して

手のひらにのるくらいだった「たのくろ豆」は今、

米袋1つ30kgを優に超える量にまで増えてくれています。

不思議なことにSHIMOHAJI農園では大不作の年でも前年以上の収穫量があります。

虫が増えても農薬をふらず(竹酢液は使います)、草引きが面倒でも除草剤は使わない。

フィールド全体がオーガニックなSHIMOHAJIに棲む微生物や飛び交う虫たちが

守ってくれているのだろうと思います。

ミツバチばかりでなく、害虫とよばれている虫たちも一緒に、

土·水·風·火のつながりや生きものたちのチカラがみえにくくなった今の世。

受け継がれてきた常陸の大地を守る一粒の存在でありたい。

それが発酵常陸の願いです。